食べること。

私たちの生活に欠かせない「食」は、とてもシンプル。
お腹が空いたから、食べる。ただそれだけのことなのに
私たち人間のすごくすごく深いところへ、
ダイレクトに影響してしまいます。

食が細く、好き嫌いも少なくなかった小さな男の子。
身長や体重など、目に見える成長の遅れだけでなく、
心も、上手に開けずにいました。
同じ世代の子どもたちが、好きなものをパクパクと食べ、
元気に走り回っているなか
いつも言葉少なにうつむいていました。

しかし、あるとき彼は「食べる」楽しさに気付きます。
はじめは、コレ美味しい!という単純なものだったかもしれません。
そのうちに、これはなんだろう、こっちも食べてみたい、と
食べることや食材への興味につながっていきました。

少しずつ、目を見て話すようになり、笑顔が増え、
たくましく育っていく。
その姿に、私は「食」の大切さを再認識しました。

食べることは、人の心をも支えてくれる。

空腹を満たすための食、を提供するだけではなく
心から元気になれる食の大切さを伝えたい。
そのために、今の私ができること、できるかたち。
「紅緒食堂」はこうして誕生しました。

懐かしさを感じる素朴なお惣菜から、
家で作るのは少し手間がかかってしまう一品まで。
滋味豊かな素材そのものの味を確かめていただけるよう
安全・安心な食材を使用して、丁寧に作ります。

店内でゆっくりと寛いでお食事を楽しみたいという方にも、
家でのんびり、足を投げ出して食べたいと思われる方にも。

この食堂が、みなさんと「食」をつなぐ紅い糸に
そして「食」を楽しむ緒(いとぐち)……きっかけになれたら。

この食堂を訪れるみなさんとの、新しい絆が紡ぎ出されますように。

ひっそりと静かな赤坂で、お待ちしています。